子どもの本
子ども の 本. 日本の家庭で子どもの読書時間を大切にする親御さんが増えています。絵本や児童書は、子どもの想像力、語彙力、感受性を育む重要なツールであり、親子のコミュニケーションを深める貴重な時間でもあります。ここでは、年齢に合わせた本の選び方から、子どもの成長をサポートする読書の楽しみ方まで、幅広くご紹介します。
子どもの本が育む力
読書は子どもの発達において多面的な効果をもたらします。絵本の読み聞かせは、語彙力や読解力の土台を育てるだけでなく、日本語の語感やリズムへの親しみ、感情や表現を学ぶきっかけ、そして親子のスキンシップと安心感の形成など、さまざまな効果があります。特に小学生期は社会性が育つ大事な時期であり、適切な本を選ぶことで、楽しみながら心を育てることができます。
2025年の調査では、9割以上の子どもが1か月に1冊以上本に親しんでおり、主に自宅での読書が中心となっています。このような読書習慣は、子どもの成長に欠かせない要素として、多くの家庭で重視されています。
年齢別おすすめ子どもの本
0歳から2歳向け:親子のふれあいを楽しむ絵本
この時期は、赤ちゃんの「音」に対する興味を引き出す絵本が効果的です。『じゃあじゃあびりびり』のような音を楽しむボードブックや、カラフルなイラストとリズミカルな文章で世界中で愛される『はらぺこあおむし』は、読み聞かせに最適です。親子のアイコンタクトを促す構成の『ごあいさつあそび』も、コミュニケーションの第一歩として人気があります。
3歳から5歳向け:言葉と想像力を広げる名作
この年齢層には、日常生活を通して語彙力や順序の理解を育てる絵本がおすすめです。料理を通して「分かち合い」の心を育てる『ぐりとぐら』や、食べ物系絵本として大人気の『しろくまちゃんのほっとけーき』は、長く愛されるロングセラーです。また、元気いっぱいのノンタンシリーズは、日常のマナーや感情表現も自然に学べる作品として支持されています。
小学校低学年向け:一人読みデビューに最適な本
漢字がなく一人でも読みやすい『がっこうのおばけずかん』や、「まじめにふまじめ」のフレーズで人気の『かいけつゾロリ』シリーズは、ハラハラドキドキを楽しみながら読書習慣を身につけるのに最適です。また、『おしりたんてい』シリーズは、お話の中に迷路やなぞなぞのような遊び心があふれ、本が苦手な子でも最後まで読める工夫がされています。
小学校中学年・高学年向け:心を育む名作と人気シリーズ
小学校中学年以降は、より深いテーマを扱った作品や、読み応えのあるシリーズ物が人気です。2025年上半期ベストセラー総合1位を獲得した『大ピンチずかん』シリーズは、日常の「ピンチ」をユーモアたっぷりに描き、大人が読んでもおもしろい作品です。また、ヨシタケシンスケさんの絵本シリーズは、独特の世界観とユーモアあふれるイラストやストーリーで親子で楽しめます。
学習要素も取り入れたい場合は、おなじみのドラえもんの挿絵入りで自然や科学、宇宙、動物、防災など幅広いテーマを学べる『ドラえもん科学ワールド』シリーズがおすすめです。小学校高学年には、SFやミステリー、ホラーなど幅広いジャンルのショートストーリーが詰まった『5分後に意外な結末』シリーズも人気があります。
2025年人気の子どもの本トレンド
2025年の児童書市場では、ユーモアと教育的要素を両立させた作品が高い人気を集めています。小学生の好きなジャンルでは、「まんが・雑誌」が最も人気で46.4%、次いで「物語・小説」が支持されています。また、探し絵本のような参加型の絵本も、子どもの集中力や観察力を楽しみながら育てるツールとして注目されています。
『チャレンジ ミッケ!』シリーズは、写真の中から隠れているものを探し出すゲーム絵本で、2005年から刊行されて20年の歴史を持つロングセラーです。カラフルで美しい写真は、見ていて飽きない楽しさがあります。
翻訳絵本で世界とつながる
海外の優れた絵本も日本で高い人気を誇っています。2025年の日本絵本賞では、13作品の翻訳絵本が最終候補に選ばれており、世界各国の多様な文化や価値観に触れることができます。エリック・カールやレオ・レオニなど世界を代表する作家の絵本は日本でも広く愛されており、フランスやイタリアからの翻訳本も数多く出版されています。
特に、イタリア・ボローニャで毎年開催される「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」は、世界80か国、1500もの出版社が参加する児童書の見本市で、ここから日本に紹介される絵本も多くあります。フランス発の絵本『いっしょに いてね』は、働くママと女の子のリアルな1日を綴った作品で、「シングルマザー」や「ワンオペ育児」といった現代のテーマを子どもにも分かりやすく伝えています。
子どもの本の選び方のポイント
絵本選びに迷ったときは、以下のポイントを参考にしてください。
まず、子どもの好みを探るために、名作を大きくジャンル分けして、どんなお話が読みたいかを探ることが重要です。「リアルな話がいい?それともファンタジーがいい?」「楽しいお話がいい?それともちょっと怖い話がいい?」といった質問を通じて、子どもの興味を把握します。
また、その子が興味を持っていること、好きなことに関連した本を手渡すことも効果的です。長いお話が苦手な場合には、短編集をすすめて、「はじめから終わりまで全部読まなくても好きなお話だけ読むのでもいいよ」と読み始めの気持ちを軽くしてあげることも大切です。
さらに、同じ名作でもさまざまな出版社から刊行されているので、その子がより読みやすそうな版のものをすすめることも検討しましょう。岩波少年文庫、福音館文庫、偕成社文庫、講談社青い鳥文庫、角川つばさ文庫、ポプラ社キミノベルなど、充実している児童文庫をうまく活用するのもおすすめです。
プレゼントにも最適な絵本ガイド
絵本・児童書の情報サイト「絵本ナビ」の会員99万人が選んだ「本当に読んでほしい絵本」を年齢別におすすめする通年企画「いくつのえほん」は、2025年版で11年目を迎えます。0歳から5歳まで、さらに大人向けの絵本、季節の絵本をラインナップし、全部で143冊のおすすめ絵本を掲載しています。
「絵本は種類がありすぎて、どれを選べばよいのかわからない」「どの絵本が自分の子に向いているのだろう?」と絵本選びに悩むママ・パパのために、長く読み継がれているロングセラーや近年刊行された話題の絵本から厳選された作品が紹介されており、プレゼント探しにもぴったりです。
読書感想文にも活用できる子どもの本
夏休みの宿題として定番の読書感想文ですが、絵本を使って書くことも可能です。絵本は短く読みやすいため、心理的なハードルを下げることができ、小学校低学年の子どもでも取り掛かりやすい特徴があります。また、物語を絵で表現しているため、状況のイメージをつかみやすく、テーマを捉えやすいのも利点です。
読書感想文がふくらむ要素として、その本を選んだ理由、その本のテーマは何か、その本を読んで何を思ったか、そう考えた理由などを書くことが重要です。自分の気持ちも振り返って考えるきっかけになる絵本を選ぶと、感想文につながりやすくなります。
家族で楽しむ読書時間
子どもの読書習慣を育てるには、家庭での環境づくりが大切です。1日の終わりに、親子で「今日はお互い何を考えて過ごしていたか」話すきっかけを与えてくれる絵本や、親子で一緒に考え、話し合える内容の本を選ぶことで、読書はより豊かな体験になります。
図書館で毎週10冊借りるママもいるように、多様な本に触れることで、子どもは自分の好きなジャンルや作家を見つけていきます。自宅での読書を中心に、学校や図書館も活用しながら、子どもが本に親しめる環境を整えることが、生涯にわたる読書習慣の基盤となります。
海外にも持っていきたい日本の子どもの本
海外で子育てをする日本人家庭にとって、子どもの日本語力の維持は大きな課題です。家庭内で日本語に触れる機会を意識的に作ることが重要であり、その中でも毎日手軽に取り入れられるのが日本語の絵本・児童書です。親子での読み聞かせはもちろん、子どもが一人で読む習慣をつけることで、語彙力や表現力を無理なく育てることができます。
特別な一冊との出会い
子どもにとって、心に残る一冊の絵本との出会いは、一生の宝物になります。70年以上愛された世界のロングセラー絵本『ちいさいおうち』のように、自然とは何か、発展とは何かを考えさせてくれる名作や、小学校の国語の教科書でも取り上げられる『くまの子ウーフ』のように、新たな気付きを得られる作品は、子どもの心を豊かに育ててくれます。
親世代も懐かしい気持ちになって読める名作から、2025年の最新刊まで、幅広い選択肢の中から、お子さまにぴったりの一冊を見つけてください。
児童文学の古典的名作『デュポン書店の奇妙な事件』の日本語版が発売されました。
『デュポン書店奇譚』が、読みやすさを追求した新装版で帰ってきました。『デュポン書店奇譚』のあらすじ:1900年代初頭のパリ。マックスは街の泥棒、デジレは香水師の娘。二人の道は、作家志望者、タバコを噛む老婦人、そして勤勉すぎる警官といった、奇妙な登場人物たちと交差していく。しかし、最も奇妙なのは、すべての道が幽霊が住むとされる古書店へと繋がっているということ…
本書は2025年に日本語に翻訳され、影書房より出版されました。リンクはこちらです。
本書の執筆にあたっては、映画『ヒューゴの不思議な発明』にインスピレーションを受けました。映画館を出た時、あの映画の雰囲気と舞台設定があまりにも美しく、同じ時代のパリを舞台にした小説を書かなければならないと心の中でつぶやきました。
子ども の 本
対象年齢
7歳から11歳(小学生)。読み聞かせにも、初めて一人で読む物語としても最適です。
本書の特徴
- 子ども向けにデザインされた不思議な構造
- イラストによる視覚的な導入で読みやすい
- 読書後のディスカッションテーマ(友情、勇気、好奇心)付き
- 教科書のレポートや授業の教材として使いやすい長さ
著者について
ファブリツィオ・アルティエリは、主に児童書を執筆する多作な作家です。彼のユーモアと繊細さにあふれた物語は、世界中の子どもたちに愛されています。日本語訳では、原文の魅力を余すことなく伝えるよう、丁寧に編集されています。
こんな方におすすめ
初めての「長編物語」を探している親子
学校図書館や読書ボランティアのための本
子供向けのミステリーや冒険小説が好きな読者
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著者について
ファブリツィオ・アルティエリは、イタリアのピサ在住の作家兼教師です。
彼は児童向けと大人向けの作品を数多く執筆しており、作品はヨーロッパの多くの国で翻訳・出版されています。
授業で生徒と取り組むために、ワークシート(イタリア語版)をダウンロードできます。読解ワークシートは、授業で生徒と取り組む際に非常に役立ちます。印刷してお楽しみください!